第1章 『身体障害者ケアガイドライン』の検討
1 何に対応するのか
(1) 「複合的なニーズ」の曖昧さ
地域で生活していくにあたって、介助サービス等のサービスを利用する以外に、そのサービス等どのように使っていくかについての支援を必要とする場合がある。またサービスの利用だけでなくどのように生活していくかについての情報提供や助言などといった支援を必要とする場合がある。(ここで「場合がある」とは、一つにすべての人にとって必要なものではないことを意味する。自己管理できる人には必要ではない。また一つに、同じ個人をとっても、それを必要とする時期があるとともに、その後自らの生活を律する方法を自らのものにすることによってそれが不要になることがあることを意味する。)
そして、こうした支援が欠けていたことがサービスの利用を抑制し、生活を困難にしてきた。例えば制度はあるのに、適切な情報が与えられないために、それを使うことができなかった、等。これらのことは私たちが知っている事実であり、それゆえに私たちは自立生活センターを設立しサービスを提供することによってこうしたニーズに対応しようとしてきたのでもある。であるから、以上のような支援サービスの必要性は認める。
問題は、『ガイドライン』で示されているものが、どこまでこのような方向に沿ったものであるのか、またそこから外れる部分があるとしたら、それが障害をもって暮らす人々にどのような影響を与えうるものであるのかである。
『ガイドライン』(及び「ケアマネジメント」についての解説書一般)は「複合的なニーズ」の存在をマネジメントが必要であることの根拠としている。そして、それを根拠に「専門職のチーム」によるマネジメントを主張する。
「ケアマネジメントが必要な利用者(複数のサービスを統合的かつ継続的に提供する必要がある利用者)かどうかという点が重要になります。複合的なニーズがあり、複数の専門職種が対応する必要があるため、ケアマネジメントが必要と判断されますと、次にニーズの評価へと移行します。」(『ガイドライン』p.9)