日本財団 図書館


施設に働く専門家の役割が作られてきたのは、地域に問題があったことに起因しているのではないか。地域で行われていた実践のなかで良い方法を模索したいと考えている。昔の地域での実践の研究報告がどこにもないので、その研究が必要だ。専門家だけでなく、地域の人たちの試みや意見を取り入れていくシステムも作りたいと考えている。

 

(5) 専門家が犯した過ちを繰り返すな

日本の自立生活センターの活動がリストされているのを見た、専門家はこの内容のサービス提供が出来ないと思わないか。それがなぜか考えて見てほしい。自立生活センターでのサービス内容について、専門家はそれぞれに技術は伸ばせるだろうが、自立生活センターはそれらのサービスを総合的に進めている。専門職のチームワークと言うのは、専門化を進めすぎたために言われるようになったと考えている。専門家が犯した過ちを自立生活センターは繰り返さないように、ニーズとしてでなく願望として受け止めてほしい。

サービスの提供の責任は国が持ち、委員会が各自治体に置かれてそこに障害者も参加し、サービスは障害者だけでなくて障害を持っていない人も利用できるようなものでなければならない。住宅についても同様に、「障害者用」のようなスタイルは無くなっていくだろう。「障害者」と言う必要が無くなるのである。

例えば、出産は医療化されてしまっている。施設形態がないとき、つまり資格の無い人の存在が認められていた時代から、現代では病院でないと出産できなくなってきている。しかし、再び地域のなかで、自宅で産む運動が始まっている。病院のなかの様々な技術やシステムを地域に戻して自宅で産めるようにするとともに、特別なケースだけ病院で出産するようにすべきである。

 

(6) 障害者のエンパワメントをすすめよう

前に述べたように、ニードのアセスメントは否定するが、現状では、ダイレクト・ペイメントでもアセスメントは必ず必要とされる。障害者は雇用されなければ収入がないので、ダイレクト・ペイメントは受け入れるべきであろう。長期的には、障害者の雇用を拡大するためにあらゆる方策をすすめること。短期的には、障害者がアセスメントや金額の決定に参加できることが必要である。

イギリスでは財政事情によってサービスの低下が認められてしまっており、これは非常に残念なことだ。障害者の団体が自信を持つことは大切であるが、一方で自治体はサービスのカットや減額をしており、このようなことは続くであろう。事態がスムーズにすすんでいる時に、サービスに関する決定権(権限)を握らなければならない。権限を握るためには、予算委員会に自分たちの選んだ議員を入れていくことが必要である。障害者の市長を選ぶのも良いが、それが全てでは無い。自分たちの団体から代表を選んでその人を議会

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION