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のアセスメントがあるが、そのような考え方は適切ではない。障害のない人が職場から自宅まで帰るのはニードとは関係なくその人の希望であるので、アセスメントされるのではなく希望が明確化されることによって解決策が見つかる。

しかし障害者に関しては、アセスメントが必要な存在とされている。これは私たちが欲したのではなく、他の文化から移入されたものである。障害がない人との対比をすることで、障害者を問題のある人と考えてはならない。多くの人々には多様性があるが、障害はそのうちの一つにすぎない、障害がない人でも医療は必要であり、そのための様々なサービスがある。これまでに話してきた保健サービスは福祉国家の中においてきて、代わって医療サービスが考えられるべきである。個人的欠陥は、多様なライフスタイルのなかで考えれば問題がない。

 

(2) 願望の文化を創ろう

福祉や機会均等化のモデルから離れて提示したいのは、「アメリオレイション(Amelioration=解放)」のモデルである。今まで無かったモデルを創りあげていくのだと理解してほしい。新しいモデルのなかでは、障害者を多様な人間のなかの存在とみて、利用しなければいけない資源もたくさんあって、それが多様な人間のために役立つと考える。

新しく提示するのは、「願望(Aspiration)の文化」と呼びたい。これまで障害者が作ってきたのは自分たちのための社会制度だが、それは自分たちだけの解決策でしかない。これからは、障害がない人も受け入れられる制度でなければならない。これまでは障害がない人が作ってくれるものを受け入れていたのだが、今度は私たちが多様な社会のなかであるべきものを考えて提示いくべきである。私たちは人類の福祉に貢献していくのであって、単なるケアを得るのではない。そのためには障害についての考え方を本質的に変えていく必要がある。

日本では障害者がこうしたいということをニードと表現してきたと聞いたが、ニードは他人が評価するもので、評価するための形式にあてはめて考えられる。希望の場合には定義などなく、個人のライフスタイルによって表現されるものだ。別の言い方をすると、ニードは評価された結果で表されるもので、これはサービスによって満たされる。しかし希望は完全に満たされることなどなく、無限に広がっていくものである。障害のない人たちは、そのようにして次々に様々なものを作ってきたではないか。

 

(3) ケアではなくサポートを

ケアとサポートは異なる。極端な例を挙げれば、病気の人にはサポートでなくケアが必要とされる。身体障害者の場合に必要なのはケアを管理することであるが、病気の人はそのような管理ができない。電気が送られてくることは、ケアではなくサポートに属するで

 

 

 

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