(2) 行政モデル
障害を社会的な問題とみて社会の負担と考える人、つまり政府や障害者を支援する人たちは、どうやって支援するかに焦点をあてる。損傷を受けている個人は欠陥がある人で、その人の問題に対処する方法=介入する方法が、福祉的なアプローチになる。損傷を持っている人、欠陥のある人をケアするのが、福祉国家の仕事となる。欠陥のある人に対しては医療が必要で、回復させるための介入の方法がリハビリテーションとなる。
障害者は医療・保健と福祉の両方の観点から問題視されていた。障害のモデルだけで考えると、障害者は損傷などの問題があるから社会的な機能を果たせない。そのような状態は「社会的死亡のモデル」(図7)と解釈できる。国は、社会に焦点をあてるが、そのような状態を「行政モデル」という。障害を持っていない人の場合には不健康な状態とみられ、一生の間の支援を受けることになり、医療・福祉の面での支援となる。これを支える体制が福祉国家であり、障害者は一生にわたって保健医療面での問題を持っていて、国の支援を受ける。英国のような福祉国家の体制にあった障害者は依存的だったかもしれないが、一生の保障を得られるという安定感があった。このようなケアや治療を行っていた福祉国家のモデルが、行政モデルにあたる。
福祉国家が崩壊して変革が生まれ、障害者に対しては、この人は障害の問題をもっている人でありそれに対して介入の方法を考えなければならないという形態が出てくる。障害に関して、一方の側では社会的に機能していない、一方の側では欠陥を埋めるために介入が必要であり障害者が社会的に機能するようにしなければならない、と考える。これはコインの両面のようなものである。