(3) 障壁のモデル
「機能不全のモデル」(図8)では、障害者は欠陥を持っていて何らかの支援が必要とされる。欠陥に対してはキュアが必要で、機器などを使うことで通常の機能のレベルに達するようにする。
医療的なリハビリテーションが発展すると、欠陥があっても治療して、あたかもその人が健康であるように再構築する。つまり人工的な人間にする。これは医療的モデルであって、その場合に目標にするのは障害のない人間であり、目標に向けてその人を作り直す。
福祉国家のようなところでは、障害者は制限を持つ市民であり、社会的な機能が果たせない人とみなされ、地域で暮らすためのケアが必要になる。そのためのサポートの体制として自立生活センターなどが出てくる。
図9の左側では障害者は問題のある存在となるが、何かをするのに大変だという問題は個人的なものではない。障害者は社会に障壁があるために何かができない市民ということで、「障壁のモデル」と言える。その場合の介入は、自立支援の形となる。行政モデルでは、障害は保健医療の問題でその対処方法は福祉国家によるものとなるが、障壁のモデルでは機会均等化の面から解釈され、障害者の権利からみたモデルといえる。福祉国家の場合には障害者は国のサービスに依存して、保障された安全な状態にいた。現在は、障害者は平等な権利を追求しているので以前の段階より自立しているが、国が財政難を理由にサービスの財源をカットするようなこともあるため不安定な状態でもあり、法律などを利用しなければならない。
機会均等化のアプローチで重要になってくるのは、法廷闘争である。コミュニティケアは、機会均等化のアプローチに適する。そこでは、福祉国家であることよりも法律が重視される。福祉国家は施設的なアプローチであり、そこでは専門職が力を持つ。障害者が施設から地域へ戻っていくなかで、機会均等化が生まれてくる。