4 ダイレクト・ペイメントの展望
家族を中心としたケアを提供する人々(carer)の運動がある。政府はどうしても彼らの側に立つ傾向があり、彼らとの間の緊張関係が問題となっている。
法律が出来る前でも、ダイレクト・ペイメントは60ヵ所で実施されていた。全国の180の自治体に対して調査したところ、ほとんどがダイレクト・ペイメントを実施したいと回答し、実施しないと表明したのは4ヵ所だけだった。伝統的に自立生活の概念がないところでは一から始めなければならないので、8〜9人の小規模で取り組んでいる。過去5年の間に40の自治体で導入に成功している。
老人の場合には、コミュニティケアより施設ケアの方が経費がかからないと言われる。障害者の場合にも施設に住むほうが安いことがあるが、それはスタッフの数が少なかったり、状況がひどい場合である。費用の額だけでダイレクト・ペイメントの成否を決めがちであるが、障害者の市民権も考慮に入れて、その効果を考えるべきである。
朝起きるときのケアを例に考えれば、ジェーンの場合は自治体のホームケアラーの方が安くつく。しかし、自治体のホームケアラーは時間通りに来たことがなく、それでは彼女は仕事に遅れてしまう。項目ごとにコスト・エフェクティブネス(費用対効果)を考えればよいのだが、自治体にはそれができる専門家はいない。我々はすでにその研究を行っているので、その意味でも自治体よりレベルは高いと言える。