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法律では、ダイレクト・ペイメントで支給される金額の上限はない。年間5万5千ポンドの支給を受けている人もあり、これは一般企業の重役クラスの人の給与と同額である。そのため自治体が独自に限度を決めており、おおよそ週500ポンド程度に設定されている。しかし実際の支給は、週100〜150ポンドであることが多い。

ダイレクト・ペイメントを希望する場合には、まず地元の自治体の社会サービス局に申請すると、担当官が来訪して、コミュニティケアのアセスメントを行う。ジェーンの場合は、対話のある「パートナーシップ・アセスメント」が行われ、希望の介助内容に必要な金額が得られた。地域によって判定の基準は異なる。ジェーンの場合は、彼女の活動が全て認められる地域に住んでいたが、十分に認められない地域もあるので、一定の水準が認められるよう闘っている。行政は医療モデルに基づく評価をしているが、私たちは社会モデルに基づく評価を求めている。誰といつ食べるのか、いつベッドに入るのかを自分で管理できる、ニードに基づいた生活である。しかし医療モデル評価では、社会サービス担当官がヘルパーなしの衣服の着脱、歩行、食事などの基本的能力を評価するものでしかない。学習障害の人は医療モデルでの評価項目がほとんどクリアすることになり、介助は必要なくなってしまう。

ダイレクト・ペイメントによる実際の現金給付は、3ヵ月に1度の銀行振込による。ジェーンの場合は、アパートに住んで仕事に行くための援助、仕事への往復や仕事中の介助、会議出席の援助で、週に75時間が認められた。金額は13週で2700ポンド、時給6.25ポンドである。この額は自治体によって異なり、3.25ポンドや14.25ポンドの地域もある。一般的な賃金レベルより低く、ジェーンの自治体のホームケアラーの賃金は時給5ポンドにとどまっている。

 

 

 

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