2 ダイレクト・ペイメントの法律の内容と実行
(1) ダイレクト・ペイメントの対象者
ダイレクト・ペイメント(直接給付)は新しい形態のコミュニティケアであるので、既存の法の中に組み入れられるものでなければならなかった。そのため従来の制限のあるコミュニティケア法に準じて、ダイレクト・ペイメントの法も制限のあるものにならざるを得なかった。地方自治体は、自由にコミュニティケアの実施を考えアセスメントが実行できることになっており、その権限は重要であった。
法律の最初にあるのが、受給資格である。コミュニティケア法によれば、ニードを持つ障害者であると評価された人、定義に基づいた障害者であること、65才以下であることの3つが資格である。65才以上は人数が多く、自治体が彼等を含めることに反対したと思われる。私たちは年齢制限を設けることに反対し、政府は見直しを約束したが、政権が変わって見直しが進まないので、キャンペーンを続けている。もう1つの資格は精神障害や犯罪歴がないことである。また、受ける人の意欲、つまり社会サービス局に強制されて受けるのではないということと、お金の管理ができることも資格として重視された。政府のガイダンスによると、お金の管理については1人でやるか又は誰かの助けを得ることになっている。1人でできなければ他に人がいるとした私たちの主張が受け入れられたことが重要である。学習障害の人は直接給付を認められていなかったが、サポートをすればできると主張した結果、受けられるようになった。
法律の中で賛成できないのが、同じ家に住む家族は制度を利用できないとしている点である。今まで無料であったケアの体制に多額の財政が支出されるようになってしまうこと、本人は家族に命令しにくいので自立が進まなくなることがその理由であった。
(2) 支給の実際
法律のガイダンスの中で障害者の自立を高めることをはっきりとうたっているのは、評価できる点である。難点は、法律には直接実行が求められるものと実行が責務ではないものの2種類があり、ダイレクト・ペイメントの法律が後者に属することであった。つまり施行するか否かは、施行する側の自治体にかかっているのである。しかし法律の性格がどうであれ、自治体が積極的であったことが良かった。多くの自治体がこの法律を受け入れると言っている。私たちは2人で自治体を訪問し、新法が導入されるように働きかけている。