日本財団 図書館


7. 造船関係技術懇談会の設立

 

「あるべき姿」実現のための方策の中には、各社単独で対応可能なものもあるが、特に中小造船業においては、自社単独では開発スタッフや資金も乏しく、多様化・複雑化する船舶ニーズやコストダウン等、個別企業での対応には自ずと限界がある。このため、共同で問題解決を図る等の必要性が強まっている。また、造船業と舶用工業は相互の立場を尊重しつつ、連携、協力関係を強化する必要がある。

前回、昭和57年のビジョンでも、「ニーズに対応した技術開発」の必要性を指摘し、以下の事項が掲げられている。

◆四国造船業の共同技術研究の体制づくり

◆造船各社の技術交流の推進

◆造船関係研究開発等の技術情報センターの創設

◆素材メーカー、関連機器メーカーとの共同研究の推進

(関係部分のみ抜粋)

これについては、提言から15年を経たが、各造船所の自立意識の強さ、営業での競合等が影響し実現をみていない。しかしながら、その後の技術レベルの向上や、業界をとりまく環境の悪化が予想され、今後においては各造船所の自助努力はもちろんのこと、それに加えて造船所間の連携・協同による問題解決が必要となりつつある。

このため、四国地区の造船業・舶用工業の技術の高度化を促進することにより、四国地区の造船業・舶用工業の振興を図ることを目的として、「四国地区造船関係技術懇談会」(仮称)の設立を提案する。今回策定される「長期ビジョン」をフォローアップしつつ、一つずつ実現に向かって進んでいくためにも必要である。

【事業(例)】

・事業者間の意見交換・情報交換

・講演会、見学会等の実施

・特定のテーマに基き、共同であるいは協力して技術開発・研究、業務調整等を図る。

《想定されるテーマ》

?@.メガフロートの共同製作

?A.熟練労働力の共同活用(人材派遣等)

?B.内航標準船設計

?C.造船所間の仕事(ブロック建造等)の融通

?D.技術情報センターの創設

【効果】

○当「懇談会」が、技術開発補助金等の受け皿となっていく。

○事業者が共同で取り組むことにより、四国の造船・舶用事業者の技術力が高まっていく。

?@造船所・関連工業間の「ゆるやかな」グループ形成を促進する。

【構成】

○本「懇談会」は、学識経験者、四国運輸局、四国4県、造船業、舶用工業、電装事業で構成。

○本懇談会には、特定のテーマに対応するため、必要に応じて「部会」をおくことができるものとする。

【事務局体制】

本懇談会の庶務は、四国造船協議会、四国小型船舶工業会、四国舶用工業会が行う。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION