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第3章 「57年四国地域造船業の将来ビジョン」の検証

 

昭和57年に四国地区造船業の長期ビジョンが策定されている。その中で提言された事項の実現状況をみると、機械化による生産性の向上など、実現された項目もある一方、船舶の標準化、魅力ある職場の提供、造船所間の協調と連帯、関連工業との一体的な発展等、実現していない項目も多い。

この原因は、外的なものとしては、?@昭和60年代初めに一時不況に陥ったものの、その後業績が回復、?A受注産業であり景気の動向に翻弄されてしまい自発的な問題解決を図りにくい、?B需要者である海運業界の意識改革が遅れている、といったことが挙げられる。一方、造船業界内部の要因として、?@「一国一城の主」意識が強く共同での問題解決が図られなかったこと、?A逆境に耐え抜くことで自社で生き残りを図ろうという意識等があった。

 

1. ビジョンの検証

 

造船業の現況のまとめも兼ねて、昭和57年に策定された「57年四国地域造船業の将来ビジョン」(以下、「57年ビジョン」と略)の達成状況を検証する。

57年ビジョンにおいて、以下の5項目が柱として提起されている。

?@ニーズに対応した技術開発

?A生産体系の機械化、オートメ化による生産性の向上

?B魅力ある職場の提供による良質な労働力の確保

?C域内造船所の協調と連帯

?D造船関連工業との一体化による総合的発展

?E技術養成機関及び技術研究機関の充実

?F国、地方公共団体及び金融機関と企業との協力体制

以下、提起された項目と、その達成状況を対照表形式にして示す。

 

 

 

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