8. 舶用工業
(1)事業所と従業員数
四国地域の舶用工業は、事業所数113、従業員数は7,172人である(平成8年末現在)。業種別事業所では、舶用機関修理業が35事業所で最も多い。メーカーは60事業所と、全体のほぼ半数である。
舶用工業は、製品の種類が多く、また規格も大小さまざまであり、一つの製品分野についてはわが国全体でも数社しか存在しない製品もある。四国の舶用工業メーカーの中には、その数は少ないものの、エンジン、荷役施設、電気機械、冷凍・冷蔵設備等において、競争力のある製品により高いシェアを維持しているメーカーもある。品質の高さ、納期の正確さ、アフターサービスのきめの細かさにより、わが国造船業の競争力を支える要因ともなっている。
(2)生産・修理実績
長期的にみると、生産額は平成3年から5年にかけてはゆるやかな減少傾向にあったが、6年以降は近海船、遠洋船の関連需要により盛り返している。
近年の外航船建造の好調さから仕事量は多く、過去最高の仕事量となる見込みである。しかし、船価が低迷しているため、製品価格は据え置かれ、むしろ引き下げを求められ続けているため、利益は上がりにくい。
修理業においては、内航船の市況低迷により、仕事量そのものが減るとともに価格も厳しい状態が続いている。
舶用機器には需要の波が避けられないため、事業者によっては早くから他部門に進出し、経