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削減、物流合理化からこの傾向は一層すすむと考えられ、大型船を建造・修繕できない中小造船事業者やハイテク化に対応できる技術力を持たない造船事業者への需要はさらに減少すると推定される。

作業船の新造・修繕も関西国際空港2期工事などのビッグプロジェクトが生じるため数年間は需要量は安定すると思われるが、それらの工事が終了すると需要はその後のプロジェクトの動向に依存した不安定な状態となる。

社会・経済的な状況を見ても、人口の高齢化・小子化による若年労働力確保の困難性が今以上に高まるとともに、全般的な景気も低水準で推移すると見込まれることから、2005年頃の兵庫県の中小造船業を取りまく状況は現状よりもさらに悪化することが予想される。

このような状況のもとでは競争が激化し、アンケート回答に見られるような「たとえ、ほそぼそでも現状のままで事業を続けて、21世紀に生き残りたい」という経営姿勢をとり続け、競争力向上に努力しない事業者は、2005年頃には造船業界に生き残ることはできないと思われる。

 

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