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以上は、中小造船事業者における問題点への取組み状況であるが、舶用工業事業者での問題点への取組みは表6-6.のとおりである。

経営上の問題点に対してこれまでに導入した対策としては、コストダウン対策をあげる事業者が多い。もっとも多くの事業者があげた対策は、「合理化によるコスト削減」であり、次いで「外注費の引締めによるコスト削減」となっている。以下、「新機械設備の導入」、「若年労働者の採用」、「舶用以外の事業拡大」、「技術要員の新規雇用」と続いている。

今後の計画としては「若年労働者の採用」を行う事業者が増加するが、これまでに導入、実施してきたものと同じ対策があがっている。

 

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2. 先進事業者の事例(アンケート及びヒアリング結果)

先進事業者(兵庫県外に立地)は、兵庫県の中小造船事業者に比べて規模の大きい事業者.である。そのため、規模の小さい兵庫県の造船事業者では導入できないような対策もあるが、ここでは兵庫県の中小造船事業者がかかえている問題点を解決するために先進事業者が導入、実施した対策のうち、兵庫県の中小造船事業者が採用できるものを中心に取りまとめる。

まず、収益率の低下にどう歯止めをかけるかについては、先進事業者は「省力化の推進等による社内コストの削減」の実施率が50%(県内事業者では34%)、「資材調達方式改善等によるコストの削減」の実施率が39%(県内事業者では14%)となっており、コスト削減を積極的に行っている。

 

 

 

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