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<具体的なコスト削減事例>

・資材、機材をできるだけ標準化する(船主指定はコストアップになるからやめるよう説得している)

・ジブクレーンはすべてリモコン操作し、溶接作業も自動溶接装置を導入し、省力化を図った

・管理部門の人員を減らし、事務所要員は「1人3役」の仕事をしている

出典「事業者ヒアリング」

 

労務上の問題点に対しては、「若年労働者の採用促進」や「高齢者・女性の採用」を行っている事業者が目立つ。若い女性や主婦を採用するためには作業環境の改善が必要であるが、先進事業者では作業場をきれいに整理整頓したり、全天候型作業場にするなどの対策を導入している。

兵庫県の事業者と県外先進事業者のもっとも大きなちがいは「従業員の教育制度の充実」にあらわれている。県外事業者では今後この対策を計画している者が67%あるのに対し、県内事業者では29%と少ない。

さらに、設備投資の実施、計画の点でも先進事業者は積極的である。例えば、生産の自動化、省力化のために投資を行った先進事業者は72%に達しているが、県内事業者では29%にとどまっている。高収益率の確保によって資金面での余裕が生じたため設備投資が可能になったとも考えられるが、県内事業者においても低コスト体質の確立や競争力強化のためには最小限の設備投資は必要であろう。

また、技術力強化対策においても、県内事業者と県外先進事業者とのちがいが大きい。例えば、先進事業者でこれまでに「技術要員の新規雇用」を行った者は56%あるが、県内事業者では14%と少ない。また、今後の計画として「設計部門の強化」をあげる先進事業者は67%あるのに対し、県内事業者では11%と少ない。このように、経営上のさまざまな点において先進事業者は積極的に対策を導入、計画しているといえる。

 

 

 

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