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第6章 兵庫県の中小造船業の問題点解決方策の検討

 

本章では、前章でとりまとめた問題点について、その解決方策をアンケート・ヒアリング調査により得られた意見並びに各種資料の分析等を参考として、中小造船業を中心に検討、整理する。

 

1. 問題点解決への取組み(アンケート結果)

兵庫県の中小造船事業者において、売上げの伸び悩みや収益率の低下など経営全体に関する問題点への取組みとして、既に実施、導入している対策としては、「省力化の推進などによる社内コストの削減」と「事業範囲の絞りこみ」が主である。今後の計画としては「社内コストの削減」とともに「資材調達方式や外注方式の改善によるコストの削減」が増加し、さらに「営業力の強化」、「多角化等による事業範囲の拡大」などの対策をとる事業者が増加している。特に「営業力の強化」は実施ずみの事業者が6%に対し、計画中の事業者は26%とやや多くなっている。

 

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次に、労務上での問題点(従業員の高齢化、若年労働者が少ないなど)に対しては、これまでは「若年労働者の採用促進」を行った事業者が23%ある程度で、事業者としては対策の導入にそれほど熱心ではなかったが、今後は「若年労働者の採用促進」が46%に増加するほか、「従業員の教育制度の充実」も6%から29%に増加しており、労務上の問題点への対応策を導入する事業者が増加している。

 

 

 

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