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第5章 兵庫県の中小造船業及び舶用工業の問題点

 

本章では、前章までの既存資料調査及びアンケート調査に引き続き実施した、各種事業者に対するヒアリング調査結果を加味したうえで、兵庫県の中小造船業及び舶用工業の問題点をとりまとめる。

 

1. 経営基盤に関する問題点

兵庫県の中小造船業の特性を既存資料から見ると、全国平均に比べて企業規模が小さいという点が目立つ。従業員数においては、「4人以下」の事業者の割合が全国平均では23%であるが、兵庫県では26%とやや多く、「51人以上」は全国の14%に対し、7%と少ない。したがって、事業者数では全国の6%を占めているにもかかわらず、従業員数のシェアは3%となっており、従業員数の少ない事業者が多い。従業員が少ないことは必ずしも経営力の弱さを示すものではないが、設計や研究開発要員を社内に確保することがむずかしく、激化する競争に勝つための技術力の強化という点でより規模の大きい事業者に比べてやや劣ると考えられる。

 

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兵庫県の舶用工業事業者においても中小企業(資本金1億円以下または従業員数300人以下)が全体の86%を占めており、激しい競争に耐えられる企業体力という点で問題があると考えられる。

表5-1.は舶用工業事業者の企業形態とそれぞれの形態の事業者数の割合を示すものであるが、いわゆる大企業は全体の1割未満である。

 

 

 

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