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兵庫県の中小造船業は、非自航船の建造における対全国シェアが49%と大きいため、作業船を使用する海洋土木工事の動向によって大きな影響を受ける。これまでは、瀬F内海をはじめわが国の沿岸において大規模な埋立工事などの公共事業が活発に行われてきたため、作業船の需要も旺盛であったが、近年は公共事業の抑制などにより海洋土木工事量も減少している。

兵庫県内及びその周辺では、今後は関西国際空港II期、神戸空港、六甲アイランドII期などの海洋土木工事が着工、進展するため、作業船など非自航船の需要も再び増大するとの予想もあるが、公共事業量の縮少により作業船の需要も内航船と同様に伸び悩みになると考えられる。

需要の伸び悩みに加えて、生産コストの低い途上国(特に中国)への作業船の発注が行われるようになっており、国内の造船事業者の作業量の減少、船価低下の要因となっている。

さらに、兵庫県の中小造船業の需要(特に修繕需要)に影響を及ぼす要因として本四架橋(明石海峡大橋)の開通によるフェリー隻数の減少がある。明石海峡大橋の完成による需要の減少は橋直下の航路にとどまらず、四国航路にまでおよんでおり、フェリーの新造や修繕を行っている中小造船業者においては影響を受けると予想される。

 

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