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2. 造船市場の変化

世界の新造船需要は、1970年代に建造された船舶の代替需要により90年代後半から2000年はじめにかけては高水準を維持すると見込まれるが、それ以降は現状レベルの需要規模にとどまり伸び悩みになると考えられる。

さらに、途上国の造船設備の増強により、供給力過剰になることも懸念され、世界的な規模の競争が激化すると予想される。

 

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中小造船業にとっては世界の造船市場もさることながら、国内市場の変化のほうが影響が大きい。国内の物流においては、近年モーダルシフト(陸上輸送から海上輸送へのシフトなど)が促進されようとしているが、内航海運の輸送量シェアは減少傾向が続いており、そのため内航船の需要も未だ活性化していない。

また、船腹調整事業に係る規制緩和の動向を見守るかたちで内航船の発注を控える動きもあって、需要の先行きは不安定である。

表4-2.は、海運造船合理化審議会内航部会が策定した内航適正船腹量であるが、景気停滞に伴う内航荷動きの不振や荷主の物流合理化などの動きから、現有船腹量が適正船腹量を上回る船腹過剰の状態が貨物船、油送船とも今後5年間は続くとみられる。

 

 

 

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