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7.3.6 まとめ

 

以上の結果より、チェーンにゴムフェンダーを付加させた機構は、チェーンに作用する張力の緩和が出来、係留に有効に作用している事が検証出来た。

しかし、ゴムフェンダーは、非常に高価である。例えば、現在ドルフィン係留、杭式係留しか成り立たなかった海域で適用出来るようになったといえれば良いのであるが、検討してみないと解らない。言い換えれば、チェーン係留の適用範囲が広がり、フェンダーを付加した方式が明確に費用面、利用面で技術的、経済的に優れることがいえないと開発する意味がないものになる。

今回の例の場合、非常に大きなチェーンを使用する事でチェーン係留が成立し(無理やり成立させた。)、初期張力をあげた事で動揺が抑制されている結果となった。そのため、フェンダーを付加した場合が動揺低減に有利であるといえない結果となってしまった。

係留は、浮函の設置海域の水深、波浪、風、潮位差などその海域の特性でパラメータが非常に多いそのため、例題計算だけで安易に全て適用出来ますとは言い切れない面がある。研究目標の設定が非常に難しいのである。

上記の指摘はあるが、本研究で扱う係留についての考え方は、一番安価で単純な構造であるチェーンをベースに海域の条件を抜粋・グルーピングし、適用範囲を分けて整理を行い検討してみる必要がある。

 

 

 

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