7.3 係留計算と動揺検討
7.3.1 検討概要
本検討では、フェンダー付加方式係留を例として試計算を行った。
方法として132φのチェーンのみと大型のセル型フェンダー付加したものの特性比較を行った。
7.3.2 検討結果の概要
(1)成立性の検討(BRETSCHNEIDERスペクトル)
動揺シミュレーションは、チェーンの初期張力を変えてその特性を把握した。暴風時侵入波の動揺量がSurgeで最大0.87m程度、Swayで最大1.12m程度、チェーン張力最大151.81tでチェーン係留が可能である結果となった。
(2)考察
本例の計算結果の概略を以下に示す。
a)チェーンのみに比べフェンダーが有効に作用している。
b)チェーン張力、フェンダー歪み量を許容値以内に抑えるため、SUC1450H(RE)のフェンダーを使用する事で係留が成立つ。
c)12秒の長周期波の場合、係留系と周期が同調すれば問題となるため(5〜10秒)、初期張力を上げ比較的タイトな係留するのが良い。また、フェンダーを付加した方が張力を緩和し有効に作用している。
d)概略検討では初期張力は20t位が適当である。
e)本計算では、チェーン係留が何とか成立しているため、チェーンが動揺量を抑え込んでいるような結果となっている。