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7.2.3 制振目標

 

制振装置の付加により、浮体の応答量を制振装置なしの場合と比較して、10〜30%低減させる。

 

7.2.4 TMDの設計

 

(1)TMDの設計理論

TMD(Tuned Mass Dumper、動吸振器)、制振対象とする構造物に対して、付加マス、ばね、減衰器からなる振動系を、制振しようとするモードと連成するような振動数を持つように調整して付加するものである。これにより、制振対象の振動エネルギーの一部は付加マスの振動エネルギーに変換され、これが付加マスに取り付けられた減衰器で消費される(通常は、減衰器内で熱エネルギーに変換される)ことにより、対象構造物の応答を低減させることが出来る。

099-1.gif

構造物の固有振動数にTMDの固有振動数を合わせ、共振させることにより、TMDのマスを振動させ、減衰器(オイルダンパー等)を作動させることにより、振動のエネルギーを減衰器内で熱に変換する。

構造物(浮体)を簡単のために、制振対象振動モードのみに着目して等価な1質点系で表すと、制振装置を取り付けた系の運動方程式は次式で表される。

099-2.gif

MD:制振装置振動体質量

MS:構造物の等価質量(制振装置取り付け位置の振動モードで基準化した構造物の等価質量

CD:制振装置の減衰     XD:制振装置振動体の変位

CS:構造物の等価減衰    XS:構造物の制振装置取り付け位置の変位

KD:制振装置の剛性     FD:制振装置振動体へ加わる外力

KS:構造物の等価剛性    FS:構造物へ加わる等価外力

 

 

 

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