5.2 船体動揺量と長周期波の波高との関係
ここでは、第3章に示したアンケート調査結果の中から、仙台新港、小名浜港、鹿島港の近接した3港について、アンケートで回答のあった具体的な船体動揺が起こった日時の長周期波高と(アンケートによる動揺量との相関図を作成したも(この3港については、動揺の時刻が詳細に示されていたため、このような解析が可能となった。)結果を図5-2-1に示す。
図はサージの動揺量を横軸とし、5種類の周期バンドエネルギーを波高に換算したものを縦軸としている。5種類の周期バンドは以下のように設定している。
(ア)600秒以上 (イ)300〜600秒 (ウ)60〜300秒
(エ)30〜60秒 (オ)30秒以上((ア)〜(エ)の合計)
図5-2-1によれば、(ウ)および(エ)、(オ)の周期帯でサージの動揺量と長周期波高との相関が高くなっている。これはサージの固有周期がこれらの周期帯に含まれるであろうことを考えると予想し得る結果である。