日本財団 図書館


2. 管海官庁又は領事の実行手続

(1) 仮船舶国籍証書の交付、書換、再交付又は訂正

管海官庁又は日本の領事は、申請に関する調査の結果、申請を適法と認めるときは、仮船舶国籍証書を調製して交付する(細則37条ノ2、39条2項、手続44条)。

その際には、提出されている所有権の取得を証する書面を同時に還付するものとされる(細則37条ノ2)。仮船舶国籍証書の記載方法は、次のごとくである。

(ア) 証書番号 船舶国籍証書の証書番号の取扱と同様であるが(手続47条)、これを附したときは、仮船舶国籍証書交付簿の当該欄にその番号を記載しておくことを要する(手続56条2号)。

(イ) 有効期間 前述の標準により定めた有効期間の最終期日を記載する。

(ウ) 証書の日附及び交付管海官庁(領事)の記載、押印 船舶国籍証書における取扱と同様である(手続48条)。

(エ) 各欄の記載事項 仮船舶国籍証書の各欄に記載すべき事項は、その証書の性質上、船舶国籍証書のごとく船舶原簿を基礎とすることができないので、次のように取扱われる。すなわち、船舶国籍証書の交付を受けていない船舶につき仮船舶国籍証書の交付をなす場合にあっては、船舶件名書、総トン数計算書(船舶の総トン数の測度を受けた場合)又は仮船舶国籍証書交付申請書により、船舶自体の表示事項を記載し、所有権の取得を証する書面により所有者に関する事項を記載する。船舶国籍証書又は仮船舶国籍証書の交付を受けている船舶につき、仮船舶国籍証書の交付又は書換等をする場合にあっては、申請者が提出している記載事項を証明する書類及び当該証書により記載する。そして、その記載の方法については、船舶国籍証書の場合と同様である(手続45条)。

(オ) 記載に使用する文字 船舶国籍証書の場合と同様である(手続2条、3条、45条)。

(2) 仮船舶国籍証書の英訳書の交付及び訂正

船舶国籍証書の英訳書の取扱と同様である。

(3) 仮船舶国籍証書及び同英訳書の交付事務に関する管理

仮船舶国籍証書交付簿及び英訳書交付簿の備付(手続56条)、証書等の廃棄及び返還通知(手続52条)並びに証書の無効告示(細則41条2項、手続51条)の取扱は、すべて船舶国籍証書における場合と同様であるが、領事官がその事務を行う場合には、次の特則がある。

(ア) 領事官が仮船舶国籍証書又は同英訳書の交付をなしたときは、遅滞なく一定の事項を記載した報告書を外務省を経由して運輸省に送付する(手続57条ノ4)。

(イ) 領事官が仮船舶国籍証書の交付をなしたときは、船籍港を管轄する管海官庁に申請書の写を添えて通知する(昭和8年6月1日管船局長通達舶738号参照)。これは、その後における船舶の登記及び登録の手続の履行を確実ならしめるための措置である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION