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第4章 危険物

 

第1節 港長の指揮

 

1 爆発物その他の危険物(当該船舶の使用に供するものを除く。)を積載した船舶は、特定港に入港しようとするときは、港の境界外で港長の指揮を受けなければならないこととなっている(法21条1項)。

ここで、

「当該船舶の使用に供するもの」とは、運搬が目的でなく当該船舶が使用するために積載している危険物をいう。

通常、船舶は、事故発煙信号、信号紅炎等地の法令で備え付けるべきことを義務付けられている火工品や、燃料等の船舶の運航に必要な石油類、調理用のプロパンガス等当該船舶が使用する危険物を積載しており、これらの危険物を積載している船舶についても港長の指揮を受けさせることとするとすべての船舶を対象とすることになりきわめてはん雑であること、またこれらの危険物は当該船舶にとってはおおむね定まった種類、数量でありしかも管理上の責任が船内任務として明確にされていることから必ずしも港長の指揮は必要でないことにより本法にいう「危険物」から除外されている。

そうした趣旨により、たとえば木材くんじょう用の毒物、非破壊検査用の放射性物質等は船舶の使用に供するものには該当しない。

2 爆発物その他の危険物の種類は危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和32年運輸省令第30号)第2条第1号に定める危険物及び同条第1号の2に定めるばら積み液体危険物のうちからこれらの性状、危険の程度等を考慮して「港則法施行規則の危険物の種類を定める告示」(昭和54年運輸省告示第547号)により定められている。

 

第2節 停泊場所の指定

 

1 危険物を積載した船舶は、特定港においては、次の船舶を除いて港長の指定した場所でなければ停泊し、又は停留してはならないこととなっている(法22条)。

(1) びょう地の指定を受けた船舶

(2) 夜間入港の許可を受けた船舶

(3) 移動許可を受けた船舶

(4) 海難回避等のための移動後遅滞なくその旨を港長に届け出て港長から他の場所に移動を命ぜられなかった船舶

(5) 停泊・停留場所を指定されて移動を命ぜられた船舶

 

 

 

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