ARPAに要求されている機能の基本的な要件は、航海者がレーダーの画面を見ながら手動でプロッティングをすることによって衝突の危険のある船を見いだすのと同じ信頼度と同じ精度で、自動的に、あらかじめ設定されたある距離範囲に相手船が入ってきたこと及び衝突のおそれのある危険船の存在を警報することである。このためには、自船の周囲の船舶の航行の状況を、手動によるブロッティングなしで判断ができる画面を作成して表示をし、かつ、避航操船のシミュレーションができる手段を持つこと等が要求される。したがって、ARPAは、他船のエコーを雨雪反射や海面反射から分離して検出し、その検出した船舶のエコーが、操作者があらかじめ設定しておいたある距離範囲に近寄ったときにはそれを検知して音響警報を出し、表示器上にも表示しなければならない。更に、検出したエコーはある優先順位に基づいて捕捉をするが、この捕捉を自動的に行っても、人がその順位を判断して手動で捕捉してもよい。また、陸地エコーとの混乱を防ぐためには、捕捉の範囲を手動で限定させる必要もある。捕捉できる船舶の数は、自動、手動にかかわらず20物標以上と決められている。