近年、これらの応用例の一つとして、ジャイロコンパスの回転位置の検出にS/Dコンバータ(シンクロ/デジタル変換器)が使われている。
シンクロ(セルシン、オートシンともいう)は小型モーターと似た形状をしていて、図4・11に示すように、シンクロの回転する一次巻線を交流(400kHz又は60Hz)で励磁する。
120度間隔で配置した三つの二次巻線に誘起される電圧は三相で、この三相のアナログ電圧の位相差から、シンクロの回転角度をディジタル値に変換するのがS/Dコンバータである。
シンクロが、光学的なロータリー・エンコーダや、ポテンショメーターを使った角度検出器と比べて優れている点は、位相差を検出する方式のため、雑音などの電気的妨害や電源電圧の変動に強いこと等である。
代表的なトラッキング型S/Dコンバータの系統は図4・11に示すとおりである。