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すなわち、レーダー電波の照射を受けると、その都度パルス繰り返し周波数の音で船舶や航空機の接近状況が分かることである。(例えば二種類のレーダーから照射されている場合は、レーダー空中線が回転しているのでプッ、ピッと二つの音が数秒ごとに聞こえ、同時に“応答電波”を発射している。)特に、音色が高ければパルス繰り返し周波数が高いことを意味するので近距離を捜索していることになり、音が比較的長く続く場合はレーダー空中線のビーム幅以外のサイドロープやマイナロープ等からも照射されていることになるので至近距離にいることを示し、合図の信号紅炎を打ち上げるチャンスとなる。その上、この情報は遭難者に勇気づけることにもなる。

この応答送信用基本パルスeは、パルス遅延回路でわずかに遅らせ、応答送信用パルスgに代えている。この理由は、図2・14のパルス後縁伸張回路出力fと、SARTの応答電波jとの時間関係をみても分かるように、応答電波jが発射されている時間は、前記受信系とのループを時間的に遮断するためである。

また、周波数変調信号hの帰線時間相当分の立ち上がり初めを応答電波jに含ませると、占有周波数帯幅以外に不要なスペクトラムが発生しやすいので、これの防止用でもある。

この応答送信用パルスgは電子スイッチ(高速スイッチ用トランジスター)で電力変換がなされ、マイクロ波FM発振器をドライブする。

一方、くし状パルス列dは充・放電時定数回路ののこぎり波発生回路によって周波数変調信号hを得、マイクロ波FM発振器でパルス/周波数の同時変調がなされる。

マイクロ波FM発振器は、共振回路にマイクロ・ストリップラインを、周波数掃引用にバラクタダイオードを、発振用素子にGaAs-FETを使用した電子同調発振器(VCO)である。バラクタダイオードの周波数掃引特性は印加電圧に対して非直線なので、周波数掃引を直線的にするため、図2・14の波形hのように前置ひずみ(プリエンファシス)を与えている。

この出力は、すぐ隣の送信用空中線から応答電波j、kとして四方に放射される。(この電波は、いかなる周波数のレーダー電波が照射されても、あらかじめ定めた周波数範囲の……本図の場合は9,300〜9,500MHz……応答電波を発射する。)

レーダーがこの応答電波を捕える場合、そのビデオ出力mは図2・14

 

 

 

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