を食べ、そしてお魚を志向するような食性を持った人たちになるだろうと考えられるわけです。
お魚は特殊な国のある特定な地域の食べ物だ。魚はそういう性格を持ってはいるのですけれども、日本人は日本人だけがお魚の恩恵に浴しているような錯覚を持っていますけれども、そういう常識あるいは考え方は、これからは長期的に見ると成り立たないということがおわかりいただけるのではないかと思います。
時間がございませんので、次にまいります。
(OHP4 南北の生産比較)
世界の全体の食の中で、穀類と動物食、それから動物食の中で肉とお魚がどういう割合でどういう役目を果たしているかというかなり荒っぽい切り口はごらんいただけたかと思います。もしおわかりいただけたら、三枚おろしも大成功ということになります。
それでは、我々が食べているものを、肉であれ、穀類であれ、魚であれ、一体だれがつくっているのだというお話を少し考えてみたいと思います。
先ほど申しましたように、動物性食料の七十キログラム水準の上と下にきれいに分かれました。上を開発国、下を途上国と考えていただきます。これは上に属するのは北のグループです。下にあるのは南のグループです。北のグループ、南のグループという分け方は、私が分けたのではなく、国連のFAOがこういう統計を使うときに使う分け方です。私が勝手に計算をしたわけではありません。
人口を見ますと、北のグループが二四%です。南のグループが七六%、つまり世界の過半数、四分の三の人たちが南のグループに入っているわけです。つまり、七十キロの下とお考えください。
それから、先ほどありました四十五度線の図の七十キログラムはこういう直線になるわけですが、その直線の内側とお考えください。
二十四対七十六、それに対して生産する穀類を見てみます。これは四五%が北のグループ、五五%が南のグループです。つまり、ほぼ三倍の人口を持った南のグループの穀類の生産量は五五で、北の三分の一の人口しかないグループが四五%の穀類の生産をしているわけです。
これでおわかりいただけたかと思うのですが、冒頭に申し上げましたように、ヨーロッパないしはヨーロッパ系の人たちの数世紀にわたる植民地政策、あるいは大変な技術的な革新もあったのだと思いますが、それによって得られた結果、穀類のほとんどを彼らの手でつくっているというのです。
それから、穀類をつくって迂回しますから、肉類は明らかにこちらの方が多いです。北のグループは五八%、南のグループは四二%です。それから、乳類は七十対三十、鶏卵が五十一対四十九。これは本当は野菜も入るのですが、野菜の場合は圧倒的に北のグループが多いです。
そうしますと、穀類、肉類、牛乳、鶏卵、野菜と我々が食べているもののほとんど全部は、実は北のグループの手によって生産されていることがわかります。つまり、北のグループに生