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(OHP3 国別食肉・魚貝供給量)

次にまいります。

それでは、食肉と魚とまとめましたけれども、それは分けないとぐあいが悪いわけです。分けてみます。

分けてみますと、縦軸が食肉の供給量です。さっきと同じ一人一年間です。横軸が魚貝の一人一年間の供給量です。斜めの線は四十五度線です。国ごとにプロットいたします。

ご説明いたしますと、肉だけで百キロとっている国々が、アメリカ、東独、西独、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、こういう国が非常にたくさん肉を食べます。これをA組といっておきます。

A組よりもっと下で、ヨーロッパの国々、スイス、オランダ、イタリー、イギリス、デンマークといった国は、肉の消費量は比較的落ちるのですが、八十キロ前後に集中している。これをB組といっておきます。

C組は、スウェーデン、ノルウェー、ロシア、そのほかスカンジナビアの国がここへ入ってきます。これがどちらかというと、四十五度線に近いところになります。

あとはドーッとここへ入ってきます。アイスランド、日本はこの辺にいます。

ここにいろいろな国がたくさん書いてありますが、ほとんど全部アフリカ西部の国か、あるいは東南アジアの国々です。そして、これらの国の国名は、ここに書いてございます。フィリピン、インドネシア、バングラデシュ、インド、こういう国々は、実はお米を主食にしている国々です。日本もそうです。ですから、四十五度線の下にある、お魚により多く依存している国々は、ここで明らかにお米を主食にしている国だということがわかるわけです。お米を主食にしていて、肉をたくさん食べる国はないです。

ここにあるのは小さい国々なわけです。この国々は食糧事情は必ずしもよくないのですが、もし将来経済的な事情がよくなり、食糧の供給の状態が変わって好転いたしますと、どちらに動くかというと、当然B組、A組を目指して上に動きます。ここまで上がれるかどうかは別として、上の方向に動いていきます。

それから、東南アメリカのお米を食べている国々は、将来許されるならば、日本の方向に向かっていくわけです。つまり、お魚の消費は、この図を見る限りにおいては、アフリカの西部と東南アジアでの消費量が、将来経済事情がよくなるに従ってかなり伸びていくということが、この図からうかがい知ることができるわけです。

お魚をとったり、お魚を食べたりするのは日本のお家芸だからというのは勝手な判断であって、東南アジアの国々がもし許されるならば、みんな日本と同じような方向に向かっていくことは非常に自然な成り行きだと思います。

そして、もう一つここで注目していただきたいのは、点を打ちますと、四十五度線の上にある国の方が数が多いように見えます。線の下の国の方が少ないように見えます。ところが、人口の比率、あるいは将来の人口の増加を考慮いたしますと、世界の人口の大半が四十五度線より下に入ってくるのです。おそらく世界の人口の三分の二、あるいはそれを超す人たちがお米

 

 

 

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