リットは何だろうといいますと、まず植物性のものを食べている、ゾウでもキリンでもいいのですが、大きい動物を考えていただければいいのです。あれは植物性です。ゾウみたいに大きくなってしまうと、朝から晩まで食べていなければだめです。ですから、とても野球をやったり、サッカーをやったり、音楽会に行って音楽を聞いたり、あるいは学校へ行っていろいろな先生の話を聞いたりなんて暇はないわけです。朝から晩まで何か食べていないと体がもたない。そういうところには文明は生まれないわけです。ですから、何としても食べなくて済むような時間をつくるためには、どうしても動物食に依存した方がいいわけです。
これはちょっと時間があり過ぎだと思いますが、ライオンやトラは動物園で見ても、アフリカへ行って見てみましても、ほとんど動いていないです。ゴロンと横になって寝ているわけです。三日に一遍ぐらいエサをとりに出て、食べて、三日間ぐらい寝ているわけです。その間にいろいろなことを考えるのだと思うのですが、(笑)人間も時間を使い、頭を使います。そのためにはどうしても北へ北へと動物性の食べ物を追って出てきた。
なぜ北へ行くのかというと、北の方が動物性の食べ物が豊かなのです。種類は少なくなるのですが、一つの種類の量が多くなるわけです。お魚をとっていただければわかりますが、赤道近くに大量の資源を持ったお魚のストックはないです。そのかわり雑多のお魚が少量ずついるわけです。ところが、日本の周辺まで来ますと、イワシの大群がいたり、サバの大群がいたり、サケの大群が川を上がったり、一つの特定の種類の動物群が随分多くなります。つまり、動物のハンティングがやりやすくなるわけです。だんだんに植物食から動物食に移ってくるのは仕方のないことだと思います。
(OHP2 国民一人当たり国別年間供給量)
次に、動物食と植物食の比較をしてみようと、こういう図を用意してみました。
こちらに肉とお魚を足した量です。これは一人の人が一年に供給される量です。こちらは穀類の一人一年間の供給量です。これを国別にプロットした図がこれです。ここのところにダッシュがございますが、この線は年間七十キログラムのところに相当します。この七十キロというのが一つの目安になる。七十キロより多くの動物性の食べ物を食べている国があります。これは名前が下に書いてあって読みにくいと思いますが、全部ヨーロッパ及びヨーロッパ系の国々です。オーストラリア、アルゼンチン、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、イタリー、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス、ロシア、イギリス、アメリカ。ともかくヨーロッパ系の国が入ります。
アジアの国で日本だけひょこっと入っています。これは魚が入っていますから、ここに入ってきます。日本人は魚を大体四十五キロぐらいまで食べていますので、魚を抜いてしまって肉だけにすると下に落ちます。
それから、ここに書いてございますパラパラと散ったのが、全部いわゆる開発途上国です。百キロ前後から二百キロ〜二百