これらは深層水の清浄な水であるという環境を利用して、いろんな微細藻類を分離培養といいますか、一つの種類のまざり物の少ない藻類を増殖させることが可能であるということであります。
(スライド32)
そういった産業に結びつく例がいろいろ実験されてきております。
(スライド33)
これはクロレラの例ですが、この辺はよく知られているところです。
(スライド34)
これは、紅藻類の培養試験で、同じようなものです。
(スライド35)
こういったものは、まさに模型実験的ですけれども、深層水を次から次へと流してやることで、小さな設備でいろんな実験をやっています。
深層水がさらに注目されておりますのは、次の例です。
(スライド36)
これはかなり話題になっているアトピー性皮膚炎です。最近はこれに苦しんでいる人が少なくないのです。しかも、その治療法は、決定的なものがなかなか見つからないということで、お医者さんが苦労されているわけです。
これに対する深層水の効果は、薬理的には解明されていないそうですが、ただ臨床例としては、この写真でごらんいただけますように、効果が認められております。つい最近富山で、深層水利用のシンポジウムがありまして、お医者さんの方から、六〜七割は改善されたということが報告されておりました。
これは深層水の例でしたけれども、もともとヨーロッパではある種の治療としてタラソテラピーといわれる海水あるいは海藻を利用する方法が知られております。我々の体にとっていいという海水を利用した、セラピーですから治療法といってもいいのかもしれません。もともとは海水浴もそういう意味があったといわれております。
日本でも、明治に入ってから欧米人が海の中に入って、海水浴をしているのを見て、そういう効果があるのではないかということも聞きながら、日本でも海水浴が始まったと聞いております。特に深層水の清浄性が、臨床的に効果が証明されたことが注目されているわけであります。
(スライド37)
これは、深層水利用による冷房試験です。これは、ハワイで最初に試験されたものですが、冷房は我々にとっては大切な自分たちの生活環境を守るもので、これによる電力消費は非常に大きいわけです。この冷たい水を部屋の中を回してやれば、冷房効果があるであろうというのはよくわかることです。
実際に高知でパイプの中に深層水を流して実験を行いました。流すためにはくみ上げる電力も必要ですし、これを回してやるための電力も必要でありますが、それらの分を差っ引いても、通常の冷房費の半分ぐらいの費用で賄えるということで、だんだんとハワイでは実用化に向けての準備ができてきているそうです。日本においては、先ほど一五〜一六カ所、深層水利用の可能性があるところが出ましたけれども、その中でどれだけ活用されるかわかりません。しかし、南の方の暖かい地方では、