海底に降ろされていくわけです。
パイプは、内径が一二・五センチで、全長が約二五〇〇メートルのパイプを使っておりまして、一日に約一〇〇〇トンの深層水をくみ上げております。
(スライド17)
これが内径一二・五センチの塩化ビニールのパイプですが、その上にパイプを保護し、なおかつその重さを持ちこたえるために、補強材を巻いてあるわけです。
(スライド18)
この高知の研究所での研究開発課題は、大きく分けますと、まず深層水を利用する技術であります。
それから、深層水そのものに関しまして、水温とか、栄養塩、それから鉄とか銅とかいうわずかに入っている金属とか、細菌の数などの基礎的な水質を調べることが大切です。それらを知ることによって生物生産分野への利用研究、有用物質生産、エネルギーの回収とか、冷房とか、淡水製造とか、このような課題が非常に注目されるわけであります。
(スライド19)
いよいよ深層水の効用の例をごらんいただくわけであります。これは真昆布でありますが、これは温かい水では育たないものです。高知では、表層は黒潮が流れているので温かいところですけれども、北の海で育つ真昆布が深層水を入れた水槽では十分育つことが証明されたわけです。
(スライド20)
これは、カジメの例です。いろんな貝類、例えばアワビなどの餌となる海藻です。普通の温かい海ではこの程度の生育に対しまして、低温の深層水を使いますと、これだけ大きく培養することができます。
(スライド21)
温度が低く、しかも植物に対して栄養が高い深層水の活用方法として、まず海藻の飼育がそうとうの効果があるということがわかりました。
一方、水産資源といたしましては、私ども日本人を含めまして、サケは人気の高い魚です。そこで水産関係の方々の一つの夢は、日本で深層水を利用して、サケの飼育を卵から成魚に至るまで本当にできるかどうかということでした。このためにアメリカから大西洋サケの卵を輸入して、ふ化して、飼育実験をしました。
大西洋サケは一頃はかなり人気の高い魚だったようです。それ以上に大切な理由は、我々の知っている太平洋の紅サケとか、白ザケとかの産卵地はロシアの沿岸でありまして、そういうところから卵を輸入することは現在できないのだそうであります。あるいは、その魚を輸入しても、ある種の健康体ではないようなものも含まれていることが大きな理由であったようでありますが、大西洋サケの飼育も立派に成功いたしました。
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これは、アワビの飼育試験ですが、稚貝の生き残り、生残率も高かったようですし、栽培促進試験も、アワビに関しましても、深層水は非常に大きな効果を上げたということです。
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