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の関心事だったのですが、ロシア二〇〇カイリ内の規制が厳しくなって、中国とか韓国とかポーランドが一時大規模スケトウダラをとったのです。それで、ロシアが怒って、そこの漁業をやめさせよう、あるいはそこをやめさせるようなことをしようといって、いろいろ会議をやったのです。それは結局うまくいかなかったのですが、他方、ロシアはまだ、日本も含めてですけれども、自分の二〇〇カイリ内にある程度の条件で、先ほど申し上げました中国とか韓国とかポーランドとかの入漁を認めているわけです。

そういった関係で、こういう言い方がいいかどうかわからないですけれども、入漁を認めてやるかわり、そこではとるなということが主張を行って、事実上、大規模な漁業は行われていないのが今の状況であります。

もちろん理論的には、公海はまだ非常に広くて、もちろん海にはあらゆるところに魚がいるのですが、そういった意味で、現時点で利用されている、あるいは近い将来利用されるであろう公海漁業資源、あるいはストラドリング・ストックは、そのくらいに限定されるのかなということでございます。

 

次はマグロ類、地図の上の方です。高度回遊性魚種。これは今とりあえず代表的なのを四つ書いてあります。順不同ですけれども、大西洋全体をカバーする「大西洋まぐろ類保存国際委員会」、もちろん条約に基づいた組織でございますが、これは一九六九年にできたものであります。それから東大西洋あるいはアメリカから中南米にかけての太平洋沖、これも古い条約で、「全米熱帯まぐろ類委員会」ができております。

これはそれぞれお配りしている表にも出ていますけれども、その二つが古いものです。南半球を帯みたいにずっと回遊しているミナミマグロ。ミナミマグロというのは、ご存じの方が多いと思いますけれども、クロマグロ、いわゆるホンマグロに匹敵する最高級マグロの一つです。南半球の高緯度地帯にしか分布しないのですが、「みなみまぐろ保存委員会」、あるいは「みなみまぐろ保存のための条約」が九四年に日本と豪州とニュージーランドの間でできている。

これは、ちょっとほかのまぐろ条約と違うというほどではないですが、対象範囲が、例えば先ほど申し上げた大西洋まぐろ類保存委員会、あるいは全米熱帯まぐろ類委員会、これから申し上げるインド洋まぐろ類委員会といったものと違ってというか、今申し上げた三つは、一定の海域を対象にして、そこにいるすべて、実際、管理の重要性のウエートはそれぞれ違いますが、すべてのいわゆるマグロ類を対象とする。しかし、みなみまぐろ委員会は、ミナミマグロという一つの種に着目して、その種のいるところは全部カバーしようということで、マグロ管理の国際機関ができております。

そうすると、見ていただいておわかりになると思いますけれども、太平洋の真ん中より西、日本の近海を含むこの地域にだけ実はない。ちょっといいおくれましたけれども、インド洋についても、インド洋まぐろ類保存委員会という条約組織がつい最近、二年ぐらい前にできて、去年日本がこの条約を受諾して、この委員会が設立されたという段階ですが、できまして、今、日本の庭という言い方は変かもしれないけれども、日本の近く

 

 

 

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