三枚紙の方を見ていただきますと、一つが北西大西洋、一枚目の一番右に出ている国際条約機関です。その隣にある北東大西洋、実はこの表には出ていなくて、この北東大西洋は日本が入っておりません。メンバーではないので出ておりません。
この表でいくと、二枚目の一番右ですけれども、中央ベーリング海のスケトウダラの保存条約、通称ベーリング公海漁業条約といっています。これはちょっと変わっていて、条約という枠組みができていますが、常設の国際機関をつくるのではなくて、条約に基づいていろいろなことを決めていこう、そういう意味で、国連協定でいうアレンジメントに当たるものだと思いますけれども、こういったのがあります。
それで、お話ししたいのは、実はストラドリング・ストックは非常に重要な資源でありますけれども、世界じゅうにそう多くないのです。多くないというのはうそかもしれない。すべての魚類がストラドリング・ストックの可能性はありますが、ある程度漁業対象として量も多くて、漁獲できて、あるいは値段も商業的漁獲に見合うようなストラドリング・ストックは、まさにここに書いた三つの地域というんですか、要するにカナダのニューファンドランド沖、北東大西洋、ベーリング海、実は、ベーリング海はアメリカとソ連の二〇〇カイリ内に囲まれておりますけれども、真ん中辺に公海が残っておりますが、そこが代表的です。
これで残されている、今でも商業的な価値があるストラドリング・ストックは、あと二つしかないのです。一つは、アルゼンチン沖です。ちょうど今指さしたアルゼンチンの南の沖合にストラドリング・ストック。今利用されているのはイカです。ここに漁業対象資源がある。これは、日本の遠洋イカ漁業ではかなり重要な漁場になっているのですが、これはアルゼンチンの二〇〇カイリ内と、フォークランド周辺水域です。それに隣接する公海と、それから私の言い方が不適切だったらおわびしたいのですが、フォークランドは微妙な問題で、日本は、ほかの国の領土権のことをいう立場にないのですが、実効上イギリスが支配している。アルゼンチンはそれにクレームを出して紛争があるのです。アルゼンチンの二〇〇カイリ内、フォークランドの二〇〇カイリ内、それに隣接する公海にまたがってイカ資源が分布しているということで、余りここは歴史的でないのですが、そこが唯一国連協定に言う国際機関ができていない水域になります。
もう一つは、この地図の中でも見えないかもしれない、オホーツク海のど真ん中あたり。オホーツク海は、すべてというと語弊があり、一部日本もありますが、大部分がロシアの二〇〇カイリ内で、ロシアの二〇〇カイリ内に残された公海水域があるのです。それを通称ピーナッツ・ホールと申します。ベーリング公海をドーナッツ・ホールといって、ここをピーナッツ・ホールといいます。ここにも、もちろんロシア二〇〇カイリ内外にまたがる魚類が存在するのです。
ここは、実は、ロシアが非常に力を入れていまして、国連協定を交渉する際に、ロシアはここの利益を得るために一生懸命でした。またここに多数国間での規制を課そうと思ったのですが、できませんでした。
実態問題として、日本はほとんど操業していないのですが、若干小規模なのをやっています。ここでもスケトウダラが最大