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去年日本はそれに署名したわけですけれども、そういった時代になってきたということになります。

それで、ご紹介いただいたとおり、余り大したこともしゃべれないと思いますけれども、そういった海洋法会議が始まって、海洋法条約ができる。できる前の漁業に関しては、一方的な二〇〇カイリ時代が始まって、それで沿岸国主義が定着して、遠洋漁業という言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、漁業大国日本も二〇〇カイリからだんだん追い出されて、他方で、公海がいわゆる遠洋漁業としてのウエートが高くなって、そういった段階で、もちろん以前からあった話ですが、公海漁業の規制がいろいろな方面で出てきた。

いわゆる国際的な漁業は、主に地域的な漁業機関あるいは漁業条約といったものの推移、海洋法会議の流れ、あるいは国連公海漁業協定採択、そういった中でどういうふうに変わってきたのか、あるいは必ずしも変わっていないかもしれないけれども、どういうふうに動いてきて、これから先は必ずしも自信はないのですが、今後どんなことになり得るのかなということを、私見を交えてというよりも、かなり大部分私見が多いと思うのですが、そういうことでお話しさせていただきたいと思います。

漁業というのは、ほかの海の世界でもあるかもしれませんけれども、専門用語とか、いろいろな特別な言葉が出てくる。なるべくそういうのを使わないようにしますけれども、いろいろ話していると、そういうのが出てきちゃうことがあるので、そういうときは、途中でもいいですから、ご質問なり何かありましたら、口をはさんでいただいて結構だと思います、特に決まった原稿を読むわけでもないので。

入ります前に、とりあえず二つの資料を皆さんのお手元に配ってあると思います。一つは三枚紙の表ですが、日本が加盟している多数国間漁業条約。漁業条約とは、基本的には漁業機関をつくる条約ですけれども、それの表です。それと一枚紙で地図が二つありますが、きょうの恐らく主題になるであろう高度回遊性魚類、マグロなんかですね。それといわゆるストラドリング・ストック。もう皆さんご存じだと思いますけれども、そういったものをカバーする国際機関の地理的な責任範囲、責任区分といったものを書いた地図をお配りしてありますので、随時参照しながらお話しさせていただこうと思います。

 

国連公海漁業条約中身については、解説書や何かもいろいろ出ているので、各条ごとに話したり何かするのは余り適当ではないと思いますけれども、先ほどご紹介のときにもありました国連公海漁業協定。九五年に採択されて、去年の十一月に日本も署名した。

まず名前からちょっとコメントしたいのですけれども、正式な名前は、正式だとものすごく長いのですが、ストラドリング・ストック、これは二〇〇カイリの中と隣接する公海にまたがって分布する、あるいは生息する魚類。代表的なものではタラ類とか、ヒラメ・カレイ類といったいわゆる底魚という魚です。及び高度回遊性魚類−ハイリー・マグレートリー・スピーシズ、いわゆる代表的なのがマグロ類です。広く海洋を泳ぎ回る魚。その二つの魚類資源についての国連海洋法条約の実施のため協定。具体的にはストラドリング・ストック及び高度回

 

 

 

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