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共同研究で行っている北太平洋でのグリーンハウス・ガスのモニターのために材木運搬船をVOSに仕立て1995年3月からのサンプリングを行った航跡を示している。船舶からの汚染(排煙などからの)を避けられる場所に大気資料採集装置を取り付け船室にフィルターや資料の固定装置を装備する事で大気中の二酸化炭素ガスを採集する事が可能となる。この計画は国立環境研究所を中核にカナダ(北太平洋航路)、オーストラリア(太平洋南北航路)との密接な連携により実行されており成果が期待される。この様に大気を採集対象とする時は船体工事をそれ程必要としないが、海水中のプランクトンを採集するには多少の船体工事を要する。海水を連続して航走中の船舶で採集するのはそれ程困難な事ではない。エンジン冷却用の海水をバイパスしてフィルター系、固定装置に導けば良い。概念図を図6に示す。

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水温、塩分、pH、蛍光や蛍光高度計を使ったプランクトンは自動計測され任意サンプリングの取り出しからは実験室用のサンプルを採集する。エンジン部分からの取水口に繋がるパイプは鉄サビの混入を避ける為ステンレスとした。船体工事を要したのはこのパイプ部分だけであった。観測は大阪・釜山間の日韓フェリー航路で週二往復行い約二年間継続した。

 

 

 

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