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各船は研究船としての最低限の装備として衛星測位装置、音響測深器は航海装置と同等に装備されている。HUDSON号は砕氷能力をもつ多目的研究船として設計されており必要に応じ磁力計、重力計、マルティチャンネル・プロファイラーなどの測器を搭載出来る。多目的研究船としては東大海洋研の白鳳丸と殆ど同じ機能を有している。上記以外に北極海での研究活動に従事しているLOUIS S ST LAURENT号があるが詳細は調査出来なかった。IOSの保有船舶に関しても詳しい情報は得られなかった。

 

2.2 一般船舶に搭載された海洋観測機器

 

前述の様により多くの観測データを得る事によって、海洋のより正確な理解が得られる様になる。現実に洋上に数多くの固定された観測プラットフォームを展開する事はあまり実用的ではあるまい。また海洋観測専用船による観測も継続的に全海洋の観測を行なおうとすると行き詰まってしまう。一般船舶、特に定期航路を航海する商船に簡素化した測定器を積み込み船員の協力を得て補完的な観測を行なおうと言うVOSによる観測がこれからも活発となるであろう。VOSによる観測は種々の海上気象要素を含み、海面・表層水温、海面塩分濃度多岐に亘る項目をも含んでいる。

 

現在、世界中でもっとも多く観測に使用されているのは表面海水温を測定するXBTであろう投棄式水温水深計(Expendable Bathythermograph: XBT)であろう。XBTは観測の為の停船をせずに航行する船舶から表層水温を測る装置として米海軍により開発されたものである。海中に投棄されたXBTは巻き込んであるエナメル導線を伸ばしながら700m位まで沈んで行きながら観測を行い導線を通して信号を船上に送ってくる。本体は回収せずに投棄する。停船しないでも良い事と扱いの簡便さから膨大な観測データが得られるように

 

 

 

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