没し、一日当り30リットルのC重油を排出していたアーヴィング・ホエール号(内航タンカー)を探索、発見し各種環境アセスメントを繰り返しながら1995年に重油抜き取りに成功した事が一例として挙げる事が出来る。この他、沿岸の小動物、魚類のモニターを定期的に実施する事によって好ましい沿岸環境の維持に指導力を発揮している。
1.6 その他の機関
ダルハウジイ大学のバトラー博士は、実施に当たっては中央政府は主導せず地方政府(州、市町村などの・・・)に可能な限り権限を委譲し、民間の非政府組織(NGO)の広い参加を基礎とすると言うCOAの精神を受けて連邦政府と四州政府(ノヴァ・スコティア、ニュー・ブランズウィック、プリンス・エドワード、ニュー・ファウンドランド)、学界および地域グループの間の橋渡しをする中心組織として設立したカナダ海洋研究所(Oceans Institute of Canada:OIC)と地方政府の連合組織として1990年に設立されたメイン湾海洋環境協議会(The Gulf of Maine Council on the Marine Environment)につき紹介をした。協議会は米側のメイン、ニュー・ハンプシャー、マサチューセッツの三州とノヴァ・スコティア、ニュー・ブランズウィックのカナダ側の二州のより沿岸と海洋活動の開発のために形成され連邦政府の関与を受けない。正規メンバーは州政府の長官または局長レヴェルであり年二回の会合では沿岸や海洋開発に伴う諸問題の調整と促進を行う。メイン湾一帯にとっての生態系の保全と漁業の振興は重要な問題である。魚族生息地の保護・保全、貝類および海産資源の保護・保全のプロジェクトは二期目に入った五ヶ年計画に取り入れられている。協議会は地域活動に対し予算処置をする事で応えている。
2. 海洋観測研究設備
これまでに述べた様にカナダは海洋研究の面では我が国と似た事情がある。水産資源の研究に比重が高かった為に本格的な海洋観測では先進諸国、特に米・英、に出遅れてしまった事、比較的層の薄い研究陣で広いEEZを科学的に調査する責務を負っている点などで日・加の事情は類似している。
2.1 海洋調査研究船
日程上の理由で今回の訪加では研究船を真近に見る事は叶わなかった。BIOは現在大小合わせて7隻の研究船を有している。以下に概要を示す。