この選考課程で港湾のプロジェクトとしてバタンガス港及びジェネラルサントス港のプロジェクトが指定されその推進が図られることとなった。
3.4.4 港湾投資五箇年計画
PPAは、全国の計画的な港湾整備を推進するため、国家経済開発庁(NEDA)の協力の下、1994年から1999年に渡る港湾投資五箇年計画を策定している。
これによれば、実施中もしくは新規に予定されている海外援助によるプロジェクトとPPA独自の資金によるプロジェクトを併せて、計画期間内に約138億ペソ(約570億円)が投資さることとなっている。
海外援助によるプロジェクトは、アジア開発銀行によるマニラ港改修、第4次・第5次世銀プロジェクト、OECFによるパタンガス港開発プロジェクト-フェーズI、USAIDによるジェネラルサントス港開発プロジェクト、BOTスキームの導入も考慮したバタンガス港開発プロジェクト-フェーズ11等が含まれており、約46億ペソ(約190億円)の投資を予定している。
一方、PPA独自の資金によるプロジェクトと350の新規プロジェクトで約92億ペソ(約380億円)の投資を予定している。
3.4.5 全国長期港湾開発計画
1995年7月、PPAが所管するBase Portなど22の主要港を対象に2020年を整備目標とする長期港湾開発計画が大統領の承認の下、策定されている。
これは、1994年11月、大統領府が発した行政命令212号における「全国港湾開発計画」策定の要請を受けたものである。行政命令212号はそもそも公共港湾における1)港湾荷役業の独占化排除、2)運営・維持・開発の民営化を促すことを主目的として発せられたものであり、本計画策定に当たっても「民営化」計画を踏まえたものとすることとされている。
本計画によれば、2020年の目標年次において、これら主要22港で扱われる貨物量は8.94億トン、船舶乗降客数は68百万人と見込まれており、これらの需要に対応するため、1995年から2020年までに総延長135.5kmの岸壁と、1,038haの港湾背後用地及び7.6万?uの旅客ターミナルスペースの整備が必要であるとしている。
また、これら主要22港への計画期間内における投資額は約4,921億ペソ(約2兆円)に達する見込みであり、これだけの資金を比政府として賄うことはできないから、開発に当たってはPPAと地方自治体、民間企業によるジョイントベンチャー(JV)やあるいはBOT方式による積極的な民間セクターの参入を期待している。
このため、本計画においては、民間セクター参入プロジェクトとしてマニラ湾開発、バタンガス港、セブ港、カガヤンデオロ港、ダバオ港拡張プロジェクトなど45のJV、BOTプロジェクトを提案している。