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PPAに帰属しない、ほとんど規模の小さい港湾は、1992年よりインフラ支援に関わる閣議(Cabinet cluster D)および国家経済開発庁(NEDA)インフラ委員会の合同会議の決定として、計画、事業実施に関わる調査(技術的監督、技術基準の提供を含む)はDOTCが担当するものの実際の建設・運営・維持は地方政府が行うこととなった。DOTCでは本カテゴリーに属する港湾の整備に当たっては、ローカルファンドと海外からのODAにより実施している。ローカルファンドによる整備は、DOTCから地方政府への補助金という形で予算措置がなされ、上述のように地方政府が施設の建設を行うこととなっている。
Causeway1本、桟橋1本の整備、施設補修といった小規模な事業(1件あたり200万円〜2,000万円)に限られるが、この計画、事業調整、予算措置などはDOTCの運輸計画部(Transportation PIanning Service)が行っている。また海外からのODAによる整備においては、Feeder Port Projectと称してローカルファンドでは対応できない比較的規模の大きい施設整備が行われている。DOTCの中にはプロジェクトの実施部門としてPMO(Project Management Office)があり、ここでFeeder Port Projectに関する計画、事業調整、施設建設の業務を一元的に行っているFeeder Port Projectにおいては、施設建設は国が行っている。

 

(4)私有港湾

私有港湾の建設、開発、運営は各私企業によって行われるが、設置に当たっては土地管理局(Land Management Bureau)およびPPAの認可が必要となる。PPAからの認可取得に当たって私企業は私有港湾の建設、開発、運営に係る契約をPPAと結ぶことになる。この契約は期限付き(通常25年)であり期限終了後、私有港湾施設はPPAに帰属されるという内容が盛り込まれるのが一般的なようである。この他契約期間中私企業および私有港湾を利用する船社は所定の港湾料金をPPAに支払わねばならない。

 

3.4 港湾の開発計画

 

3.4.1 現在までの開発の経緯

 

1969年に政府はこれまで輸送の分野が無視されてきたことから、フィリピン輸送調(PTS)を行い、翌年完了した。PTSは長期の枠組みと同時に1980年代までの輸送分野への中期投資計画を示した。しかしながら、1970年代の輸送投資は主に道路分野に対してであった。

1978〜81年に対する貨物並びに旅客流動予測によって主要島内における道路輸送よりルソンの食料不足地域とミンダナオの農産品余剰地域間の貨物並びに旅客の島内流動がより増加することが示され、1979〜82年の投資計画では全公共輸送投資の大きな部分を港湾並びに空港の拡張に割いた。1975年以

 

 

 

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