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?実験結果

・栄養塩を添加する方が効果的であり、中でも栄養塩は数回に分けて投入する方が効果的である。

・添加量は、油1gに対し、2%N、0.2%Pである。

・無機栄養塩が効果的である。

・生分解率は最大で50%程度である。

 

(2)拡散・漂流シミュレーションモデルについて

 

?3種の原油による海上での実験(コーストガードと連携)をベースに150種の原油の拡散・漂流シミュレーションが可能なモデルを10年前から開発している。1996年2月のシーエンプレス号事故時にもシミュレートし、データもデータベースに取り込んである。過去20年分のデータが取り入れてあり、生態系データを入れることが可能である。エマルジョンの程度も推計可能である。

?最大144hを3h毎に計算可能である。パラメータとしては、風向・風力、気温、海水温度、波高・波の間隔等である。また、油の粘度やエマルジョンの状況によっても異なる。漂着場所の推計精度は500mである。

?モデル(写真4-1参照)は、年1回の実験や実際の流出事故を基に精緻化を行っている。

年1回の実験では、約1トンの油を海上に流し、これで計測できない場合は約10トンの油を流してデータを収集する。

?計算はC+で行い、データベースソフトのACCESS(マイクロソフト社)で表示する。

?価格はベーシックモデルで2万ポンド、オプションは各1500ポンドである。販売元は、BMTである。販売先としては、北海油田会社、ベネズエラ、インドネシア等である。

?同様のモデルとして、AEAが途中まで共同研究を行っているIKU(ノルウェー)の「Oil Map」がある。ただし、「Oil Map」はその後データの検証が行われていない。

?今後原油以外の化学製品のモデルを開発予定。

 

 

 

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