以上のうち、?から?が、第一順位の研究課題として選ばれ、?から?は、次順位だが今後協力して進めるべき分野として選ばれた。産業・学会・政府の関係者によって会議が行われたので、情報の確認と今後の協力が推進された。石油流出対策に対する助成金には限度があるが、データについては産官学が一体になって研究すべきである点が確認された。
2. 「海洋石油流出シミュレーション・システム・プロトタイプのテスト・プログラム」
1993年8月テキサス州に完成した沿岸石油流出シミュレーションシステムCOSSについての技術報告書である。COSSの各部名称、流体学・堆積物学・石油流出学、プロトタイプ試験結果からの修正点等が報告されている。
このようなシステムは過去に例がないため、先ず試作し、テストプログラムの実行からデータを収集する必要があった。当該COSSは、そうした要請に基づく、バイオメレメディエーション用の栄養塩・微生物・化学物質の効果と安全性をテストするための、プロトタイプの設備である。大きさは約30m×2m×2mであり、人工的に造波・潮汐を行う機能を備えている。これにより様々な海浜状況をシミュレートするものである。
以上の機能が実際の自然状況を正確にシミュレートできるかどうかの試験概要とデザインが当該報告書に記載されている。
テストプログラムは、?流水(Hydrodynamic)、?堆積(Sediment)、?石油流出(oil spill)の三つの観点から行われた。結果は極めて良好であったが、同時に、幾つかの修正点を確認した。
実験概要と修正点は以下の通りである。
(1)実験概要
?流水
沿岸の海流と海岸の状態との関係を明らかにすることを目的として、波高、海流速度、海岸の形状について測定した。波高は水槽下部にある圧力計と静止写真によって測定し、波形は水槽内部に輪郭をたどった。また、速度も測定した。
?堆積
Hydraulic studyでは、地表下のシミュレート状況を確かめるためにピエゾメーターをセディメントにインストールして測定し、窪地での水面のレベルを測定するために圧力変換器を用いた。
?石油流出
海岸線と海上での石油流出について、South Texas Crude Oilを用いて、各1?の四つの象限で試験を行った。