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ることがわかる。また、7日後の油の減少率は、F-1で60%だったのに対し、無機栄養塩の方は油の量に変化がなかった。また、視覚的にF-1の方は暗黒色がなくなった。油の色素は中核成分によるものであることから、System ET 20が油の中核成分を分解していると考えられる。

第二実験では、F-1と無機栄養塩による油分解バクテリアの生育と、乳化作用を調べた。

F-1あるいは無機栄養塩を油と混ぜた後で、水分を除去し、新しい海水と入れ替えを行った(栄養塩の追加はしない)ところ、F-1の方では、2度の入れ替えの後にもバクテリアの生育が促進されていた。

 

ク. アラビア海岸地域での原油の蒸発と生分解[12]

ライトアラビアン原油の蒸発・生分解を、ラボとフィールドで実験したところ、蒸発率は、200時間後、ラボで28.97%、フィールドで43.62%であった。Eurospillが出しているモデルでは、蒸発率は40.30%とされており、今回の実験結果は妥当なものと思われる。

生分解調査では、295日後、分解度は、現状で67.76%、栄養分なしで65.48%であった。

バイオレメディエーションに、PUTIDOIL(炭化水素分解微生物)、Inipol EAP22(栄養塩)BEEP ENERSPERSE 1990(分散剤)を使用したところ、この3者の混合で98日後の油除去率は77.31%であった。

エーゲ海のブレント原油流出事件と比較。このケースでは、一部炎上していた。

生分解は、Mgミネラル塩と、PUTIDOILの併用が最も効果的であった。

BEEP ENERSPERSE 1990と、PUTIDOILの併用では、546時間(23日)後、陰イオン部分が77.56%、n-イオン部分が57.70%分解された。

 

 

 

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