3.フランス(フランス西岸のフィールド実験)
Landevennecのsheltered beachにおける測定方法統一化のための実験
(1)プロトコールづくりのための実験[1,2,3]
実験場所:フランス西岸、河口の入り江、砂浜
実験時期:年月日は不明。期間は9カ月。
実験目的:過去10年間にバイオレメディエーションを海岸線浄化に用いる研究が進んだが、測定方法が統一されていなかったため、結果の比較ができなかった。CEDRE(フランス研究実験文書化センター)はフィールドテストでバイオレメディエーションの効果を評価する共通の方法を設定する試みをした。このプロトコールの正統性を示すために、9カ月の実験を行った。[1]
a. 実験の概要
海浜のプロットを人工的に油汚染した。沈澱物を含む箱にセルを作り、波、潮の動きで沈澱物が流れないようにして、油分解微生物、親油性栄養塩、石灰粉をテストした。(コントロールももうけた。)[2]
分析方法は、化学成分分析(GC-FID/FPD,MS-fisher,GC/MS)、微生物分析(バクテリア数、活動測定、respirometory)、潮間水の窒素濃度などを用いた。
b. 結果
プロット内の油の量が場所によってさまざまであったことから、油の減少は時間に比例して進まなかった。直鎖アルカンとisopenoidsは同じ速度で分解した。各油成分を見ると、元来の構成比率は、飽和族37%(脂肪族9%、環アルカン28%)芳香族33%、レジンーアスファルテン30%。これが、35週後には、飽和族24%、芳香族28%、レジンーアスファルテン48%だった。全体での生分解率は34%で、内訳は、脂肪族77%、環アルカン48%芳香族40%、レジンーアスファルテン0%だった。[3]
4.5カ月後、油の80〜90%が蒸発や潮、波の作用で除去され、残存油のうち、中脂肪族成分の30〜50%が生分解され、c1とc2が除去された。[2]
化学、微生物分析等の統計調査の結果、油の生分解が促進された明確な証拠は得られなかった。これは、各プロットの条件が多様すぎたためである。
そこで得られた結論は以下の通りであった。1)浄化は主に波と潮の機械的運動によった。2)自然の油分解は、ラボ実験と比較してゆっくり進む。3)窒素量が生分解制限要素となっていた。4)箱をもうけるのは良い方法であったが、改善すべき点を残している。[2]
この調査により、サンプリング方法、統計分析法の開発、現地に適した浄化法を決定するための実用的な勧告などの必要性が示された。
テストの最終段階で、CEDRE内外で類似の実験や、異なる気候(イギリス、カ