で洗い流されにくいのではないかと解釈している。しかし、実験エラーは推定されていず、読者がこの解釈を議論するに足るデータもない。
Sveum and Ladousseによると、Inipol EAP22の使用による生分解は、水面上の油には効果がほとんどなかったが、荒い砂地、砂利地では、効果が高かった。
(n-heptadecane/pristaneと、n-octadecane/phytaneの比率が下がっていた。)粒子の細かい沈澱物では、生分解率が低く、栄養塩を加えても比率は上がらなかった。[2]
ここでの欠陥は、replicate処理がないこと、コントロールが適当でないことに加え、2種類の土壌を使用した2つの実験が同時に行われていなかったことである。inferential stasisticsを使用するなら、同時に実験を行う必要がある。栄養塩使用のプロットと栄養塩なしのプロットの間に大きな違いがみられなかったことから判断しても、コントロールの作り方や、実験材料、方法、推定の記述をと、細部に気を配る必要がある。
1.2 その他の初期(エクソン・ヴァルデス号事件以前)の諸実験[1,2]
(1)Amoco Cadizの原油流出(1978)で、炭化水素の生物分解が自然な油分除去に大きな役割を果たすことが確認された。農業用栄養塩が流れて生物分解が促進されたことも明らかになった。[1]
(2)カナダ、Baffin Island油流出プロジェクト(1982)[1,2]
砂、砂利の下に埋まっているLago Medio原油に栄養塩を加えたときの効果を調べた結果は、自然状態の分解率の5倍の分解率であった。
(3)Guadeloupeのマングロープ(1989)[2]
泥炭上の生分解,(n-heptadecane/pristaneと、n-octadecane/phytaneの比率の低下。)は速度が遅いが、Bioactivatorという親油性栄養塩を使用することで、促進することが出来る。しかし、マングローブの生態系に及ぼす栄養塩の毒性を研究することが先決で、それまでは常時使用することは望ましくないと考えている。
参考文献
[1]Bragg, J.R., Prince, R.C., Wilkinson, J.B.,Atlas, R. M. 1993.
"Bioremedialton for Shoreline Cleanup Following the 1989 Alaskan Oil Spill."
[2]Prince,R.C.1993."Petroleum Spill Bioremediation in Marine Environments."
Critical Reviews in Microbiology, 19(4):n 217-242(1993)
[3]Venosa, A. 1996. "Oil Spill Bioremediaiton on Coastal Shorelines:
a Critique."Bioremediation : Principle and Practice., Technology Publishing, Inc.(BTRP2(4))