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上記については、下記に示したように急性毒性と慢性毒性の両方に関して評価を行い、最終的には、食物連鎖を通じた人間への影響について考えて行く必要がある。

 

○急性毒性

?海中の微生物や魚介類への直接的影響(生存性)

・各々の生物の個体毎の評価

・生物群集としての評価

?生体内凝縮・残留

 

○慢性毒性

?生物個体への影響

・個々の生物個体の成長力

・個々の生物個体の繁殖力

・個々の生物個体の催奇力

?食物連鎖を通じた他の生物への影響

・成長力

・繁殖力

・催奇力

 

この際、ある期間の影響を総合的にみて、安全性(生態系への影響)を評価することが必要になる。現在のところ上記に関しては、栄養塩、微生物製剤、油、処理剤各々の個別の急性毒性についての考え方と試験結果が公表されている。

しかしながら上記物質が複合した場合や、食物連鎖を通じた生態系全体への中長期的な影響、ひいては、人間への影響については方法論が確立されていない。現在あるのは、生存性に関し、単体の有害物質等の急性毒性試験(LC50等)が主たるものである。従って、今後は、これらの方法論をステップ・バイ・ステップで研究開発していくことが重要と考えられる。

安全性試験のステップの例としては、以下のように考えられる。

ステップ1:文献調査等による微生物の毒性の有無の確認

ステップ2:代表的な生物での安全性(生態系への影響)評価

ステップ3:実用化をめざし、あらゆるケースを想定した安全性評価

 

(2)バイオレメディエーションの適用にあたってのガイドラインの策定

流出油のバイオレメディエーションについては、事故の潜在可能性の高い海域で有り、かつ人口の密集している我が国沿岸に於いては、早急な環境修復策が望まれ、そのなかの一つの手段として期待が高まりつつあるあるものの、実用化に至らないのは、「生態系への影響等の安全性の問題」、「現場の状況等による有効性の問題」等を評価するための基準が曖昧であるからと考えられる。

実際に油流出事故時にバイオレメディエーションを適用しようとする場合には、地元の漁協などの理解も必要である。

従って、油流曲事故による海岸等の油汚染への対策として、バイオレメディエーションを実施するためのガイドラインを作成する必要がある。

 

 

 

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