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(3)栄養塩濃度

三菱化学の栄養塩を加えた場合、海水中の全窒素濃度は約30ppmまで増如し、その後、次第に減少した(図5-5-5)。一方、Inipol EAP22を添加した後には、全窒素濃度は120ppmにまで上昇し、その後、10ppm以下に減少した。この結果より、緩効性の三菱化学の栄養塩の方が優れていると考えられる。2回目の添加での栄養塩濃度の上昇は1回目ほど顕著ではなかった。その理由は現在のところ不明である。

 

(4)溶存酸素

装置上部(満潮時の海面下5cm)の海水中の溶存酸素は、1〜3mg/Lであった(図5-5-7)。

 

(5)海水温度

装置上部(満潮時の海面下5cm)の海水の温度は、水槽1及び2ともほぼ同じ(21〜22℃)であった(図5-5-9)。

 

(6)pH

装置上部(満潮時の海面下5cm)の海水のpHは試験開始前および直後ではpH7.7付近であったが、栄養塩を加えた後では、両水槽共、pHの減少が見られた。pHの減少は、三菱化学の栄養塩を加えた方が大きかった(図5-5-10)。

 

(7)視覚的効果(写真撮影)

Inipol EAP22を添加したあと1日以内に、海水表面のスリックが大幅に減少した。スリックの量の減少は、三菱化学の栄養塩を添加した後にも観察されたが、その効果が見られるまで1週間以上を要した。Inipol EAP22添加によって一度消失したスリックは、1ヶ月を過ぎる頃より再び増加し始めた。三菱化学の栄養塩では、そのようなことは観察されなかった(写真5-5-1〜写真5-5-8)。

 

 

 

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