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3.4.7 初期原油濃度と原油分解率との関係

 

(1)目的

上述の試験において、栄養塩が十分な場合でも30日間の培養での分解率は50%に達しなかった。

この原因の一つとして原油分解菌で分解できる油分の絶対量に上限があることが考えられる。

そこで加熱風化原油の濃度を変化させた場合の原油分解菌による分解率を測定し、原油濃度が分解率にどのような影響を及ぼしているかを把握することを狙いとして試験を実施した。

この際、初期原油濃度は500〜5,000ppm(500、1,000、2,000、3,000及び5,000ppm)に設定した。

 

(2)方法

バッフル付きの三角フラスコ(100mL容)に窒素、リン、鉄を十分量強化し、100mMのHEPESでpH=7.8に緩衝した人工海水培地18mLを分注し、加熱風化原油10mg、20mg、40mg、60 mg、100mg(培地中初期濃度として500ppm、1,000ppm、2,000ppm、3,000ppm、5,000ppm)を添加する。

それぞれに、前培養した原油分解菌の培溶液を2mL植種し、ロータリーシェーカーにて20℃で4週間、振盪培養する。なお、本試験条件を表3-4-8に示す。

4週間の培養終了後の培地から、まず菌密度測定用試料をlmL分取し、残りの培地から培地量と等量のクロロホルムを用いて残留油分を抽出し(2回)、クロロホルム除去後、秤量分析に供する。菌密度はマリンアガープレート・段階希釈法にて計数する。

 

 

 

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