3.4.4 溶存酸素濃度と原油分解率との関係
(1)目的
3.4.3の試験で原油の分解率が50%程度で止まってしまうという試験結果について、曝気不足による酸素供給が律速になっている可能性があると考えられた。
そこで、小型ジャーファーメンタならびに曝気ガス混合装置を用いて、曝気ガス中の酸素分圧を低くした場合の原油分解菌による分解率を測定する。
(2)試験方法
小型ジャーファーメンタ(2,000mL容)に窒素、リン、鉄を十分量強化し、100mMのHEPESでpH7.8に緩衝した人工海水培地1,500mLを分注し、加熱風化原油を培地中濃度2,000ppmになるように添加する。原油分解菌前培溶液15mLを植種し、通常空気(酸素分圧0.21atm;培地中飽和溶存酸素濃度約7ppm)ならびに1:9空気/窒素混合ガス(酸素分圧0.02atm:培地中飽和溶存酸素濃度約0.7ppm)とする。本試験条件を表3-4-3に示す。
双方のジャーファーメンタから、所定期間毎に培地の一部を採取し、マリンアガープレート・段階希釈法による菌密度計数、ならびにクロロホルム抽出/秤量法による残留油分測定法に供する。