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詳細計画に対して実用のレベルに達しているものにはなっていない。また、今回の研究において重視したクマタカやオオタ力等の高次消費者の繁殖地および行動圏に関するデータ収集も、時間的制約から最低限必要な現地調査を実施するに留め解析を進めている。あくまで今回の研究においては、生物多様性保持の視点に立ったエコロジカル・ネットワークの考え方と手法を示すことに重点を置いたことをご理解いただきたい。

もちろん今後とも、精度の向上には努めていく所存である。ちなみに、「生物多様性保持にとって重要な地域」に関するデータは、18,000人を数える当会の会員にデータの提供を呼びかけ日々蓄積されつつある。また社会条件の設定もさらに実際に即した詳細なものを作成する用意がある。したがって、最新情報は常に当会のワークステーション・コンピューターの中に、適宜更新されながら存在している。

埼玉県域において生物多様性の保持を考慮した効率的な自然地・緑地の保全計画を作成または提言される準備のある方には、地域に即した若干の現地確認調査を経た上で、最新の情報を提供していきたい。なお、不明な点に対する質問や、ご意見・お問い合わせ等はご遠慮なく当協会事務局まで寄せていただきたい。

なお、本研究は(財)日本船舶振興会の助成を受けて実施・刊行した。こころから御礼を申し上げる次第である。

 

参考文献

 

George B.Korte,1994:実務者のための地理情報システム―The GIS Book―.

アーバンフリンジ研究会.建設知識,1995:「都市近郊」土地利用事典。(株)建設知識.

リチャードB.プリマック.小堀洋美,1997:保全生態学のすすめ生物多様性保全のためのニューサイエンス.(株)文一総合出版.

環境庁自然保護局野生生物課,猛禽類保護の進め方一特にイヌワシ、クマタカ、オオタカについて―.(財)日本鳥類保護連盟.

渓畔林研究会,1997:水辺林の保全と再生に向けて―米国国有林の管理指針と日本の取り組み―.(株)日本林業調査会.

日本生態系保護協会,1994:ビオトープネットワーク―都市・農村・自然の新秩序―.(株)ぎょうせい.

(財)日本生態系協会,1995:ビオトープネットワーク?U―環境の世紀を担う農業への挑戦―.(株)ぎょうせい.

日本林業調査会,1989:森林・林業と自然保護―新しい森林保護管理のあり方―.(株)日本林業調査会.

村井俊治・宮脇昭・紫崎亮介,1995:リモートセンシングからみた地球環境の保全と開発.(財)東京大学出版会.

 

 

 

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